事例紹介
道外からの移住者が後継者不在の製造業を引き継いだ事例
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後継者人材バンク
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企業概要
- [会社名]
- 株式会社環境セラピィ
- [所在地]
- 札幌市
- [業 種]
- 製造業(微生物を活用した有機肥料等の製造)
- [設 立]
- 平成7年(1995年)
- [資本金]
- 1,000万円
- [Webサイト]
- https://therapy.hokkaido.jp
※写真提供:くらしごと
事業引継ぎの経緯
代表の森若さんは北海道大学で博士号を取得後、国内外の研究機関での研究者生活を経て1995年に千葉県で同社を創業。当初は微生物の働きを活用した水質改善や生ごみ処理機の製造を手掛けていました。その後、故郷である北海道へ帰郷した森若さんは微生物の働きで植物を育てる有機肥料の研究に着手、開発した商品はやがて口コミで評判になり、大手ホームセンターや雑貨店へと取引を拡大してきました。
森若さんは70歳を超えた頃から会社の承継先探しに着手し、2017年にはM&Aの仲介会社へと相談したものの、会社のM&Aという形では自身の科学者としての想いを受け継いでくれる先を探すのは難しいと考え、仲介会社を活用したM&Aを断念します。その後、2020年に北海道事業引継ぎ支援センターへ相談された森若さんは北海道後継者人材バンクへ登録。企業間のM&Aではなく、自身の事業と科学者としての想いを受け継いでくれる後継者探しに着手しました。
一方、神戸市出身の福島さん(28歳)は、大学卒業後に銀行やシステム開発会社での勤務、独立起業を経て、北海道大学の大学院へ入学するため札幌市への移住を決めました。同時に、地域に根ざしたビジネスに取り組むことを検討し、2020年11月から北海道後継者人材バンクに登録していました。
2020年12月、北海道後継者人材バンクの登録者専用メールマガジンを通じて同社を知った福島さんからマッチング申込があり、12月末にトップ面談を実施、2021年2月に事業の引継ぎに関する基本合意に至りました。福島さんは将来的に後継者になることを前提として3月に同社に参画し、森若さんから製造等の技術やノウハウの承継を受けるとともに、広報・営業等に関する業務を行い、事業の一層の発展を目指しています。
後継者人材バンク活用の利点
- 企業間のM&Aではなく、後継者となる「人」を探すことができる
- 後継者はゼロからの起業と異なり、企業の持つ商品、取引先、ブランドを引継いで事業をスタートすることができる