事例紹介
後継者不在企業を市内の同業者が譲り受け、地域のインフラ維持に成功した事例
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M&A
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譲渡企業
- [会社名]
- 有限会社環境衛生社
- [所在地]
- 網走市
- [業 種]
- 一般廃棄物処理業
- [売上高]
- 6,200万円
- [従業員]
- 6名
- [資本金]
- 300万円
- [理 由]
- 後継者不在
譲受企業
- [会社名]
- シティ環境株式会社
- [所在地]
- 網走市
- [業 種]
- 一般廃棄物処理業
- [売上高]
- 3億4,000万円
- [資本金]
- 2,000万円
- [理 由]
- 事業拡大
事業引継ぎの経緯
(有)環境衛生社は、渡辺社長が昭和56年に設立した一般廃棄物の処理業者で、40年近くにわたって網走市内で一般廃棄物の収集・処理を手掛けてきました。社内には社長の長男、次男、長女が在籍していたものの、会社を継ぐ意思はなかったため、渡辺社長は市内の同業者であるシティ環境(株)の政田社長に事業を引き受けてくれるよう相談しました。
譲り受けることとなった政田社長も、市内のごみ収集ルートが効率化できること、人材難の折に従業員を受け入れられること、そして何より旧知の渡辺社長の会社と一緒になって市内で事業を拡大できることから快諾し、2019年3月に北海道事業引継ぎ支援センターへ譲り受けの手続きを相談に訪れました。
当センターのアドバイザーは両社長と面談した上で、現在の状況についてヒアリングを行い、本件を進める上での課題は、①株価の鑑定、②渡辺社長が個人所有する不動産の処理、の2点に絞られると判断して、こうした課題の対応に強い税理士法人知野・寺田会計事務所へ紹介し、当センターと共同でM&Aの手続きを支援することとなりました。
その後、会社や不動産に関する資料を揃えた上で、2019年10月に知野・寺田会計事務所によるデューデリジェンスを行い、12月に渡辺社長一族から政田社長への株式譲渡契約を締結して政田社長が環境衛生社の代表に就任し、会社の譲渡が成立しました。
渡辺社長は「これからは個人経営の時代ではない。」と、わずか20年でシティ環境を大きく成長させた政田社長の手腕への期待を寄せ、政田社長は「これまでシティ環境で取り組んできたように、環境衛生社のサービスの質も高めていきたい。」と今後への意気込みを語っています。
M&A成功のポイント
- 譲渡企業から市内同業者の譲受企業へ事業引継ぎについて直接相談できる状況にあった。
- 譲受企業側において事業を引き継ぐことで事業拡大が見込めた。
- 手続きを進める上で専門機関(当センター)及び専門家(会計事務所)を活用した。