事例紹介
村役場と商工会が連携して後継者への引継ぎ支援
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M&A
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【株式会社ロイヤル農機】 ~真狩村・真狩村商工会連携案件~
株式会社ロイヤル農機は、羊蹄山の麓・真狩村で昭和25年から農機具販売事業を展開しています。周辺の農家への農機具販売を行っているほか、家庭用耕転機、除雪機、ストーブ販売も行っています。
前社長・大平雅彦氏には後継者がおらず、後継ぎについて商工会に相談していました。ところが、3年前にオーストラリア出身でニセコ町在住のフォロ・スチュアート氏、かおり氏夫妻が、近くの店が廃業して除雪機の修理ができないと困っているうちに、当社を見つけました。その後も芝刈り機を買うなどお得意さんになるうちに、日本語堪能なスチュアート氏と大平前社長が意気投合、仲良くなったスチュアート氏から「後継ぎはいますか?」と質問が飛び出したといいます。後継者がいないことを知ったフォロ夫妻が「私たちが継ぎます!」と宣言。大平前社長は最初は想いだけかと思っていましたが、フォロ夫妻が自ら車を購入して無償で配達や作業を手伝うまでになり、熱意と本気度を感じるようになりました。
2024年になり、商工会の事業承継・個別相談会に参加したことで、商工会と当センターが連携して支援をすることとなり、会社の資産の整理、株式の移転方法などを助言、引継ぎに必要な手続きを支援していきました。
同じ時期、村の会社や店が経営を維持できるように後継ぎに承継する支援が欲しいと商工会からの要望を受け、真狩村役場で「中小企業経営承継事業補助金」が制定されることとなり、制度運用が開始されたことから、当社も村と商工会が連携した資金的支援を受けることもできました。
2025年1月に株式譲渡契約書を締結、かおり氏が代表取締役に就任、大平前社長のサポートを受けながら経営理念の引継ぎを行うとともに、外国人に営業活動をするなど夫妻で新たな事業展開を進めています。
「地域にかかせないお店がなくなったら大変!」とフォロ夫妻は引継いだ想いを語っています。