事例紹介
廃業検討から一転!「第三者承継」を知り事業の継続を実現
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M&A
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㈱オムニテックは、札幌市中央区にある構造設計の一級建築士事務所。ビルやマンションさらには国内外にある複数の観覧車の構造設計の実績も持つ。㈱オムニテックには後継者がいなかったため、当初、伊澤典安紀社長は廃業を考え、従業員の整理や取引先の縮小を進めてきた。
そうした中、中小企業事業承継・引継ぎ支援全国本部((独)中小企業基盤整備機構)から郵送されてきたダイレクトメールを見て、第三者承継(M&A)という承継方法及びその公的相談機関である北海道事業承継・引継ぎ支援センターの存在を知り、2021(令和2)年7月30日に第三者承継の相談ためセンターを訪問。
センターから第三者承継の手続きの進め方、ポイント及びメリット、相手先探しの方法等の説明を受け、その結果、伊澤社長は、高額な構造設計の専用ソフトウェアや多くの専門書について廃業してしまうと廃棄物として処分せざるを得なくなってしまうこと、また取引先にも迷惑をかけたくないという思いから、廃業ではなく第三者承継による会社存続を目指すことを決断。
センターを通じて譲受候補の紹介もあったが、最終的に譲渡相手として決まったのは、㈱オムニテックの取引先の会社で働いている金澤享史建築士だった。金澤建築士は意匠設計を得意としているところ、構造設計を行う㈱オムニテックを金澤建築士が譲受し、意匠設計と構造設計が合わさることの相乗効果の発揮を考えて譲受を決断。2021(令和2)年12月1日に、株式譲渡契約を締結し第三者承継を完了し、株式譲渡後、金澤建築士が㈱オムニテックの代表取締役に就任するとともに、伊澤氏も取締役として会社に残り金澤建築士を支えている。